強化学習に必要な14の要素―脳を活かす勉強法―

公開日: 勉強法 本紹介

脳を活かす勉強法

強化学習とは

一生懸命考えていた問題がやっと解けた。その時のうれしさを思い出してみてください。
「やった! できた!」
この時、あなたの脳の中では「ドーパミン」と呼ばれる物質が分泌されています。
ドーパミンは神経伝達物質のひとつで、「快感」を生み出す脳内物質として知られています。この分泌量が多ければ多いほど、人間は大きな快感・喜びを感じることが分かっています。
したがって人間の脳はドーパミンが分泌された時、どんな行動をとったか克明に記憶し、ことあるごとにその快感を再現しようとします。そして、もっと効率的にドーパミンを分泌させるため――つまり快感を得るために、脳内では神経細胞(ニューロン)がつなぎかわり、新しいシナプス(神経回路網)が生まれます。そのため、快感を生み出す行動が次第にくせになり、二回、三回と繰り返し続けていくたびに、その行動が上達していく。これが「学習」のメカニズムです。
特に、試行錯誤を経ることで脳内に強固なシナプスが形成され、やがてひとつの行動に練達していきます。これを「強化学習」といいます。「脳を活かす勉強法」ひとつめの極意は、この「強化学習」のサイクルを回すことにあります。
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1、自発的に行動する
脳が喜びを感じるためには「強制されたものではない」ことが大事。何をしているにしても「自分が選んでいる」という感覚こそが、強化学習に欠かせない。
部下や子どもの主体性を引き出すには、どんな小さなことでもいいから自発的にやったことで「成功体験」を持たせることが大切。成功体験なしには、脳は変わってくれない。

2、難しすぎず易しすぎず
ドーパミンは、できると分かっていることを成し遂げても放出されない。できるかどうか分からないことに、一生懸命ぶつかり、そして苦労の末それを達成した時に大量に分泌される。
「えっ、私ってこんなこともできたの?」と意外性が強ければ強いほど、喜びが大きくなるしくみ。

3,制限時間を設ける(タイムプレッシャー)
自分の作業に制限時間を設けることで脳に負荷がかかる。目標を達成できるとそれが成功体験になり脳のドーパミンの分泌が促される。

4,自分と他人を比較する必要はない
「喜び」のない学習は、どんなに努力しているつもりでもなかなか身につかない。
大切なのは、自分自身の「喜びの感覚」。
ペースが速い人もいれば遅い人もいる。とにかく少しでも前に進んでいれば、喜びをかんじられる。
 
5,集中力がうまれる3つの要素
①速さ――作業のスピードを極限まで速くすること(タイムプレッシャー)
②分量――とにかく圧倒的な作業をこなすこと
③没入感――周囲の雑音が入らないほど夢中になること

6,ルーティン化
どんな人でも、やり始めというのは、なかなかエンジンがかからない。
だから、決まった作業の流れのなかに自分を落し込みルーティン化するのがいい。
たとえばスポーツ選手がやるような、靴の紐は最後に結ぶ、右足からフィールドに入るといったジンクスでも構わない。
また、机の上にやりかけの参考書や仕事の資料を開いた状態で置いておくなど、常にインフラを整備しておくのもよい。
大切なのは、ルーティンやインフラなど、ありとあらゆる手を使って「瞬間的に集中する習慣」を身につけること。脳の中に回路ができてしまえばしめたもの。あとは、身体が勝手に動いてくれる。

7,大きめの単語カード
少し大きめの単語カードを使い、表側に教科書のポイントとなる文章を書く。特に暗記したほうがよい単語や擁護を空欄にしておき、裏側にその答えを書いておく。
この勉強保のメリットは二つある。ひとつは何処でも簡単に空いた時間を活用して覚えることができる。もうひとつは、カードをつくる時に自分の手で書きながら覚えるため記憶効率が高まる。

8、見ながら書き写すのは駄目
書き写す時は見ながら書くのではなく、ある程度覚えてから写す。(目を離して)それを何度も繰り返す。
原文を見ながら書き写すプロセスの中には、「記憶する」という作業が抜けているので記憶が定着しない。

9、夜はクリエイティブな活動に不向き
朝起きてから夜寝るまでのあいだの記憶が整理、蓄積されるのは睡眠中だから夜になると脳は未整理の記憶でいっぱいになる。このような状態なので、脳の活動がフレキシブルにならない。

10、モニタリングする
自分自身を正確にモニタリングし、自分がいま「この問題の何が分からないのか」「何が原因で分からないのか」を自分自身で考える。
「自分の分からないこと」の正体をつかめないとどうしたら分かるようになるのか、考えることができない。

11,弱点の克服
弱点を努力で克服しようとする時、人はきわめて高いモチベーションを発揮する。そしてだんだんできるようになるにつれて脳の強化学習が進む。
弱点を持っていたら、それをむしろチャンスだと思ったほうがいい。ただし、本気でそれを乗り越えたいという願望が強くないと、「チャンス」として生かしきることはできない。

12,正しい勉強はとてもシンプル
自分の欠点や弱点、ミスを直視できるか。そしてその原因を自分自身で論理的に突き詰め修正できるかということ。

13,「安全基地」をつくる
「安全基地」というのは何かがあった時に逃げ込める場所のこと。
外に出てさまざまなことにチャレンジし、もし失敗して傷ついたとしても、安全基地に逃げ込めばそこには自分を温かく守ってくれるものがある。多くの子どもにとって、特に幼少期にこの安全基地となるのは「親」。
つまり、親とは、人生の中で自分ができるかどうか分からない不確実なものにチャレンジする時の基盤を確保してくれる人のこと。逆にいえば、親の役割とは子どもに安全基地を与えることにほかならない。
しかし、注意しなければいけないのは、「安全基地」はいわゆる「過保護」や「過干渉」とはまったく違うということ。
過保護は、子どもが自由にチャレンジすることを認めずに、あれやこれと指図すること。また、絶対に失敗しないような環境に置くこと。あれをやると危ない、これをやるとよくないというように、あらかじめ失敗する可能性(つまり不確実性)を封じ込めてしまった閉鎖空間の中では、脳が新しいことを学んでいけるはずがない。

14,自分の脳が喜ぶことを見つける  
大切なのは、どうすれば自分の脳が一番喜ぶのかを、自分自身で発見していくこと。
脳が「どんな時に最大の喜びを感じるか」は、千差万別

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