時間のムダをなくすための本―レバレッジ時間術―

公開日: ビジネス書 本紹介

レバレッジ時間術―ノーリスク・ハイリターンの成功原則 (幻冬舎新書)

著者:本田直之
概要
・サーチ→スクリーニング→利益確定
・デキる人は自分の「時間割」を持っている
・小さなこともリストにして習慣づけ
・習慣化で集中力も高まる
・90分で10分休憩
・午睡を上手にとる
・暗記作業は寝る前にするのがベスト
・時間の捨て方のヒント
・自分のKSFを見つけているか



リサーチ→スクリーニング→利益確定

 時間投資には、いくつかの基本的な手順があります。まず重要なのは、事前リサーチ。自分の仕事全体を見渡して、何が面倒なのか、何に時間がかかっているのかを、自分で把握するということです。

 次が、その中でどれについて効率化を図るかを検討するスクリーニングです。成果につながること、成果につながらなくても、どうしてもやらなければいけないこと、人に頼めないことなど、ウェイトの大きいものから順位付けをしていきます。
 
 その上で、仕組みづくりのために実際に時間を投資して、効率化を図っていきます。このとき、思うように効果が上がらなければ無理に続ける必要はありません。成果の上がることだけを続けることで、時間資産がストックされていくのです。

デキる人は自分の「時間割」を持っている

 私の知っているビジネスパーソンにも、「時間割」的なスタイルをとっている人はたくさんいます。また優れた経営者の中にも、生活のパターンを決めている人は多いようです。たとえば花王の後藤卓也会長は、次のように述べています。

 私は管理職になる前からずっと夜は10時に就寝し、朝は五時起床です。土日も五時に起床しています。ウィークデーはパターンがだいたい決まっていて、七時半に出社し、八時半までの一時間はアポなしで平社員でも誰でも部屋にきていいよという時間にしています(略)。(夜は)七時、八時までは自分の働く時間だという習慣になってしまうと、そのような割り振りで仕事をするようになってしまうのではないでしょうか。

 これは、ファーストリテイリングの柳井会長兼CEOとの対談での発言なのですが、これを受けて柳井会長もほぼ同じように生活をパターン化していると話しています。起きる時間から出社する時間、さらに出社して何かを考える時間まで、後藤会長のタイムスケジュールを後ろに一時間スライドさせれば、そのまま柳井戸会長のタイムスケジュールになるとか。

 時間割を決めて、ムダなことに頭も時間も割かない。そこから生まれた時間資産を、重要な経営判断にあてて、成果を上げる。これがお二人に共通するスタイルと言えます。

小さなこともリストにして習慣づけ

 日常生活で習慣化したいことは、どんなことでもチェックリストにしています。「やろうと思っていたけど忘れてしまった」ことを思い出したり、後になってやり直したりすることは、とても時間のロスだからです。

習慣化で集中力も高まる

 ルーティンワーク化するということは、無意識かするということ。無意識の記憶を司る線条体が関与していると考えられます。繰り返すことで体が覚える。無意識だから苦にならない。そういう状態を一般的には「集中している」と呼んでいるのです。

90分で10分休憩

 90分間働いたら10分休憩するというパターンを基本的なサイクルにしています。一般に大人の集中力は、90分が1つの限界のようです。大学の講義は1コマ90分ですし、大学入試も一科目の制限時間はたいてい90分です。

 もちろん「90分ももたない」という人もいるでしょうし、「自分はもっと長くても大丈夫」という人もいるでしょう。仕事の性質や個々の集中色の限界に合わせて、時間は自由に設定してかまいません。

午睡を上手にとる

 午睡を上手にとることで、午後の仕事の効率を上げて気持よく働くことができるようです。大切なのは、気持いいからといって長時間眠らないことで、15分から長くでも30分までが良いそうです。それ以上長く眠ってしまうと、睡眠段階が深くなりすぎて、起きたあと完全に覚醒して作業効率が元通りになるまでに時間がかかってしまいます。

暗記作業は寝る前にするのがベスト

 睡眠との関連で言うと、記憶作業は寝る前にするのが効果的です。
 記憶と睡眠には大変深い関係があります。脳は睡眠中に、起きている間にインプットされた情報を整理し、残すべき情報を記憶として定着させる作業をしています。
 特に寝る直前にインプットされた情報は、脳が重要なものだと判断して、記憶に定着させる働きが強くなると言われています。
 そこで私は、試験などで大量の暗記が必要になったときには、寝る前の一時間を勉強にあてるようにしてきました。
 夜にインプット→睡眠→朝に復習、というパターンが最も効率的でベストだと思います。

時間の捨て方のヒント

 する必要のまったくない仕事、時間の浪費である仕事を見つけ、捨てなければならない。すべての仕事について、まったくしなかったならば何が起こるかを考えればよい。何も起こらないが答えであるならば、その仕事はただちにやめるべきである。

自分のKSFを見つけているか

 経営戦略の用語で、事業や業界においてカギとなる成功要因のことをKSF(Key Success Factor)と言います。「やらないこと」を選択する力とは、「KSFを見つける力」と言い換えることができます。

 受験のKSFとは、まず「過去問」です。受験においては、過去問を分析し、勉強する範囲を絞り込むのが合格の鉄則です。それを、真面目な人は、教科書を全部覚えようとしたり、また、「自分は文系だけれど、いつか必要になるかもしれないから、物理の勉強もしておこう」などと合格に関係のないところまで手を広げたりするので、結局、どれも中途半端になって失敗してしまいます。
 受験のもう一つのKSFは、「合格最低点ねらい」です。合格には100点満点は必要ありません。6割7割なり、最低ランクさえクリアできれば合格はできます。
 過去問の中には、たまたまその年だけ出題された、重箱の隅をつつくような難問もあります。また出題されるかもしれないと不安になって、ついそういう問題ばかりを見つけて時間をかけて勉強してしまいがちですが、それは100点ねをねらう勉強。合格には必要ありません。
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